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報われない恋

ふふふ。やっと終わったぞ。45,000円(しつこい)の仕事。
ああ、やっとデザインの仕事に戻れる……(涙)
そして何より、「Fake!」のプロットを完成させられる!(滝涙)
どう考えても仕事より執筆優先な脳味噌らしい結城でございます。こんばんは。

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今日は朝から、あまりにも気の毒な報われない恋の話を聞いてしまいました。
傍目には爆笑モノですが、当人にとってはこれ以上の悲劇はありません。そりゃもう、報われない恋の代表・一宮 奏以上の悲劇です。(いつ代表になったんだ)

主人公はアホウドリです。
(多分この話、ご存知の方も多いのでは……2月頃にも流れたニュースらしいので)


伊豆諸島に浮かぶ鳥島をアホウドリの一大繁殖地にしよう!と環境省が決めたのは、91年。
でも、ここに来てね、と人間が言ったってアホウドリが来てくれる訳がない。そこで導入されたのが「デコイ作戦」。
島に新たに営巣地を作り、スピーカーからアホウドリの鳴き声を流し、精巧に作られたプラスチック製のアホウドリの模型(デコイ)を93個も設置。
そう。つまりは、「ほーら、こんなに仲間がいっぱいいるよー」とアピールすることで、アホウドリを呼び込もうって訳ですね。
いくら精巧でも模型じゃなぁ、と思ったんですが、鳥って案外外見に騙されやすいのか、作戦は成功。93個のデコイにつられて、繁殖シーズンを迎えたアホウドリが、こぞって鳥島にやってくるように。

そして、97年、画期的なアホウドリが出現します。
推定年齢4歳。性別はオス。
このオス、デコイNo.22のデコイちゃん相手に、求愛ダンスを踊り出したのです。

……まあ、相手は、デコイですから。
いくら踊ってみたところで、反応する筈もなく。
愛の巣も作ってみたけど、デコイに見えるわけないから、喜んでくれる筈もなく。
1シーズン、ひたすらそのNo.22のデコイに求愛し続けた彼は、繁殖シーズンが終わると、失意のうちに旅立ったのでした。

島の監視カメラでその様子を見ていた山階鳥類研究所の職員は、彼に「デコちゃん」と名づけました。
デコイに求愛してるからデコちゃん。安直です。

翌年も、デコちゃんは鳥島にやってきました。
でもって、この年もまたしつこくNo.22のデコイに求愛。愛の巣作りとダンスに精を出しました。
冷たい彼女(そりゃ冷たいわな、血が通ってないもの)は、デコちゃんの求愛に応えてくれず、この年もデコちゃんは寂しく鳥島を後にしました。

そうして。

次の年も。

その次の年も。

デコちゃんは、計9年間、No.22のデコイに求愛し続けました。

一途な彼は、隣に置いてあるNo.21のデコイにも、No.23のデコイにも目をくれません。ほんまもんのアホウドリにも浮気なんかしませんよ。もう、No.22ちゃん一筋。
よって、ずーっとシングルだし、子孫も残せておりません。

2006年2月に撮影されたデコちゃんは、やっぱりNo.22のデコイに求愛ダンス踊ってました。
でもこの片想いも、これが最後。
何故なら、当初の目的は達成された、として、今年の5月に全てのデコイが撤去されるから
そう。デコちゃんが9年も不毛な片想いをしている間に、鳥島はすっかり、アホウドリの繁殖地として定着しちゃってたんですね。もうデコイがなくてもアホウドリが毎年来るんですよ。

アホウドリの繁殖シーズンは、11月頃から。
今年の11月、鳥島に降り立ったデコちゃんが、どこにもNo.22のデコイちゃんがいないと気づいたら……さて、どうするんだろう。


結城:「なんか、No.22って、他のアホウドリも求愛したらしいから、よっぽどの美人なんだね」
相方:「っちゅーか、9年も経つ前に、No.22だけ撤去してやれなかったのかよ

……ごもっともですが、きっと、撤去するにしのびなかったのでしょう。人間の方も。

「いっそNo.22のデコイだけずっと残しておいたらどうだ」という意見もあるけど、それだと、デコちゃんは一生片想いのまんま。やっぱり生身のアホウドリと新たな恋をして欲しいところです。
でも……あんだけ周囲に生身のアホウドリがいたのに、それでもひたすらNo.22だけを愛してたデコちゃんだから、撤去しても他に興味を示さない可能性も。
いや、それより、ショックのあまり寝込んだり、海岸線を彷徨ったり、ひきこもっちゃったりしないかなぁ。

ところで、ギリシャ神話に、ピグマリオン、ていう人が出てくる話があります。
腕のいい彫刻師・ピグマリオンが、自分が作った女神の彫像に恋しちゃう話。
ちと危ない人だったらしく、ピグマリオン氏は、彫像が愛しいあまりに、毎日何にも手がつかず、最後には、
「彼女が手に入れられないのなら、私は崖から身を投げて死んでしまおう」
とまで呟く始末。
それを聞いた女神が、危ない彫刻師の願いを聞き入れ(変人だけどその腕前が惜しかったんですね、きっと)、彫像に命を吹き込み、ピグマリオンは人間になった彫像と結ばれて、めでたしめでたし。

結城:「あの神話みたく、No.22のデコイちゃんも、あら不思議、本物のアホウドリになっちゃった〜、ってならないかなぁ?」
相方:「なるかっ!!!!!」

……その位のファンタジー、あってもいいと思う。
| どうでもいい話 | 21:59 | comments(7) | - | - | - |
Comment
彼が愛したのは、物言わぬ人形でした。
あまりに綺麗だったから……ずっと自分の傍に置いておきたい、彼はそう願いました。
……でも、彼女は心ある人間だったから。
ただの人形として愛されたいとは思わない……だから、彼女は彼の傍から離れていきました。


そんなお話を思い出して……とてもじゃないけど笑い話だなんて思えないなぁ、などど思ってしまった人がここに一人。
(ちょうど今その辺りを読み返してたので……ホントにものすごいタイミングです。)
2006/03/17 2:06 AM, from 北都まーじゅ
アホウドリの寿命は約二十年。という事を考えると、生涯の半分をかけた片思い……。最初は笑えたんですが、考えれば考えるほど悲恋ですね。

どうか、奏君同様、デコちゃんにも新しい恋が見つかります様に。
2006/03/17 11:10 PM, from under
最初の2年くらいまでは、アホウドリってやっぱアホなのかなって思ってたんですが(ごめんなさいデコちゃん)、9年の片思いってほんとすごいですよね。
とりあえず私は、デコちゃんが身投げしないことを祈ります。
2006/03/18 1:23 AM, from 暁
人間に例えると、40年近く片思いをし続けていることになりますね…。
2006/03/19 2:56 AM, from beat
>まーじゅさん
どっちも「不毛」であるところは同じですが、相手に心がある分、辻兄の方が問題は大きい気しますね。

>アホウドリの寿命は約二十年
>人間なら(9年は)40年近く
てことは、13歳のデコちゃんは、人間なら50歳位……。
……アホウドリって、何歳まで繁殖できるんだろう(汗)
2006/03/20 9:27 AM, from 結城とも
あのデコちゃんが、今年ついに本物のメス相手の恋に成功!
なんと子供もも無事生まれたんだそうです。
おめでとう!
2008/04/02 11:39 PM, from 鳥島くん
7月26日のnhkスペシャルを見て、
そういえばデコイに恋してたアホウドリがいたはず、
と調べてこちらに辿り着きました。
9年も一途に恋してたんですね。
そして完全撤去後に新しい恋をして、
ヒナも生まれたんですね。
ホッとしました。
結城ともさんのブログに感謝します。
ありがとうございました。
2015/07/30 10:57 AM, from ねね










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